走るということ

日本で2年、タイで10年、いわゆる「大人」になってから僕はずっとダイビングばかりしていた。
朝から晩まで、1日4本潜るなんて当たり前の生活だった。
ときどき、BUDDHA VIEWの前のビーチでサッカーをしたりもしたけれど、運動らしい運動といえばダイビングだけだった。(ダイビングが運動といってもよければ…だけれども)

今から5年前に日本にもどってきた僕は、体を動かすことも少なくなり、その分仕事での付き合いなんかも増えたりして、結果すごく「太った」。どのくらいかというと…およそ15キロ。
「もう結婚もしたし、子供も生まれたからいいだろう」と自分勝手な言い訳をしていた。

でも、そんな自堕落な日々は、娘の「パパのおなかにも赤ちゃんがいるの?」という無邪気な一言で終わりを告げる。
「これではだめだ。娘が大きくなった時、一緒に歩きたいような父親でなければ」と僕は決心し、走り始めた。

最初は1キロ走るのだって精一杯。すぐに息が切れた。足ががくがくした。自分が情けなかった。
でも、走るのをやめなかった。秋の冷たい雨の中を、冬の北風の中をひたすら走り続けた。
1か月もすると、1キロが5キロ、5キロが10キロと長い距離が走れるようになり…

いつか走ることが楽しくなってきた。
ダイエットが目的だったはずが、すぐにハーフマラソンが目標になった。
走り始めて3カ月で体重は10キロ以上減り、4ヶ月後には初のハーフマラソンで1時間40分を切った。

今は天気の良い日にジョギングシューズを履けば、2本の脚はどんな遠いところへでも僕を連れて行ってくれる。
1日10キロや20キロも走れるようになった今の目標はもちろんサブスリー。

「本当は走ってみたいんだけど…」、「走っても続かなそう…」
そんな風に思っている人たちはきっと多いはず。
確かに1人だとなかなか走り続けることは難しいかもしれない。僕も最初は辛かった。

でも、みんなで走れば辛いことだって楽しくなってくる。
そして、いつか走ることが辛いことではなくなり、楽しいものに変わった時、きっと違う自分がそこにいる。

だから、みんなで走ろうよ。